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統一地方選、台湾全土に吹いた韓流の風
2018 / 11 / 25 ( Sun )

何だか朝日新聞にありそうなタイトルですが、
久し振りに「ブーム」というものを目の当たりにしました。
いや、久し振りというよりここまでの大ブームを身近で見るのは初めてかも。

例の高雄市長候補のハゲのお方、韓國瑜氏はその後も人気を保ち、
昨日11月24日の統一地方選(九合一)では、
実に20年振りに国民党の高雄市長が誕生しました。
20181117韓國瑜高雄鳳山造勢45
(写真は11月17日のもの。うっかり高雄まで見に行ってしまった)

開票開始直後は僅差の戦いでしたが、
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その後少しずつリードを広げ、892,545票を獲得。
民進党の対立候補、陳其邁に約15万票の差をつけて当選。
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蔡英文総統の不人気に加え、「韓流」が他の市長選にも影響を及ぼし、
劣勢と見られていた台中市でも国民党候補が市長ポストを奪還。
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(2018年11月24日付 聯合報)

国民党は全22の市長/県長ポストのうち15(直轄市は6市のうち3市)で
勝利するという大躍進でした。
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※左から「オトコです!燕です!ハゲです!」と言わされる国民党トリオ。
 当選した、侯友宜・新北市長、盧秀燕・台中市長、韓國瑜・高雄市長。

※その他、選挙結果は中央選挙委員会のサイトをご覧下さい
 http://www.cec.gov.tw/pc/zh_TW/IDX/indexC.html

それもそのはず、この1ヶ月を振り返ってみると、

比較的中立的な蘋果日報の世論調査(真ん中)では
僅差で韓國瑜がリードしているという程度でしたが、
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選挙カーで各地を回れば、スムーズに前に進めないほどの大人気。
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何やら高名なお坊さんが支持を表明した際には、
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「普段から心が乱れた時にはお経を読んでいます」と
暗記しているお経を一字一句間違わずに唱えてみせる韓國瑜。
頭頂部は割ときれいにハゲているので、パッと見はもはや僧侶。
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選挙集会には毎回数万単位の人が押し寄せ、
「選挙前日の集会では100名のハゲの皆さんと一緒に入場する!」と
言ってみたら、
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本当に募集をかけてしまい、なんと277名ものハゲのお方が集まりました。
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集会終了後の地下鉄では韓國瑜支持者が大合唱したり、
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人気にあやかろうと、自らもハゲにしてしまう台北市議候補まで。
なりふり構わないレベルがすごい。
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一方、不安要素もたくさんありました。

まずは、11月17日の国民党・呉敦義主席の失言。
オフレコの場ですが、民進党の陳菊総統府秘書長を
「ぶくぶく太ったメスブタ」と呼んでしまいました。
ちなみに、呉敦義と陳菊は過去の高雄市長選を巡る因縁が。
(国民党のスキャンダルをでっちあげて民進党が勝利)

さすがに韓國瑜にも不利に働くかと思いきや、当の本人は発言当日夜の
大規模集会で「あの発言は非常に不適切だ」と呉敦義に苦言を呈しました。
これが”自分の所属する党の主席にはっきり物が言える人”的な
イメージにつながり、逆に人気が上昇。
(更に、この人は選挙期間中、民進党から散々個人攻撃されたのに、
民進党の政策などは批判しても個人を悪く言わないところが偉い)

こちらは、呉敦義の失言を受けて「私はブタではなく、台湾人だ」と
真顔で訴える陳菊。
選挙ですから、こういうのはユーモアで切り返さないともったいない。
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続いて、11月19日に行われた対立候補との討論会。
閣僚経験者などの専門家を顧問に、忙しい合間を縫って準備したものの、
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民進党の陳其邁候補(リーガルハイを地で行くヘアスタイル!)に
細かい質問を次々に繰り出され、分が悪くなってしまった韓國瑜。
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風向きが変わったかと思ったら、「あんなにネチネチと細かすぎる
質問ばかりするなんて」と、逆に陳其邁がいじめっ子のような印象に。
(勿論、民進党支持者はこれで勝ったと思っていたでしょうが)

韓國瑜の夫人が市場を回っていた時には、
おばあちゃまが駆け寄って来て「韓國瑜があんなに痩せちゃって
心配でたまらない。パンツもブカブカで。。。」と号泣。
(ちょっと仕込みには見えない泣きっぷりでした)
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やっぱり痩せのハゲって貧相なので、「あんなになるまで頑張って。。。」
とかいう、親が子を心配するような気持ちになるのでしょうか。
そういう意味ではやっぱりハゲてて良かった、韓國瑜。

最後はこちら。暗殺予告です(仕込みか本物かは不明)。
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「台湾の治安を信じている。防弾チョッキは着ない。暗殺予告など
なんてことないさ」となぜか宣言してしまったばかりに、
選挙カーの真横で鳴らされた爆竹にビビってしまう韓國瑜。
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先程の市場のおばあちゃまは「お願いだから防弾チョッキ着てよ」と
どこかでまた号泣していることでしょう。

本人のみならず家族への殺害予告もなんのその、
かわいらしい娘さんが応援に入ったらこちらも人気者に。
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夫人は選挙前日の集会に飼っている柴犬連れで登場し、
台湾語で涙ながらに支持者に感謝を伝えました。
(そして、なぜか一緒に泣いている韓國瑜)
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台湾の選挙では応援に来る候補者や大物政治家の夫人のことを
「夫人牌」といいますが、韓國瑜の夫人牌は最強ですね。
一昨日の集会は電通でも雇ったかのような素晴らしい演出でした。

高雄でこんなに国民党候補が人気になるというのは異例ですが、
個人的な魅力(なの?)以外に、蔡英文政権への不満やら、
高雄の不景気やら、様々な要因が複雑に絡み合って誕生したハゲ市長。
今後の市政運営にも注目が集まるのでしょうね。

そんな訳で、高雄は国民党が勝った今回の統一地方選ですが、
全体としては、全22ある市長/県長ポストのうち、国民党は6→15と躍進、
一方民進党は13→6と惨敗しました。

選挙結果を受けて、蔡英文総統は責任を取り党主席を辞任。
2年半でここまで不人気となるのも逆にすごいと思いますが、
2020年の総統選は誰が出馬し、当選するのか。今からとっても気になります。

ところで、残りひとつのポストは台北市長。
無所属現職の柯文哲と国民党の丁守中がデッドヒートを繰り広げていましたが、
日付が変わった午前2:40頃にようやく開票作業が完了。
柯文哲580,820票、丁守中577,566票という結果でしたが、
丁守中が弁護団を引き連れて選挙無効を申請すると発表。
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理由は「棄保」の疑いがあるため、とのこと。
今回は10項目の住民投票も同日に実施されたため、
投票締切時間(16時)になっても投票が終わらず、最後の一人が
票を投じたのは締切から3時間46分後だったのだそう。
開票作業は締切直後から始まりすぐに速報が流れるので、
民進党候補の姚文智が明らかに劣勢だったと知った支持者が、
丁守中よりはマシだと柯文哲に投票したのではないか
(これが棄保→誰かを「棄」てて誰かを「保」つ)という主張です。
(具体的には、新北より住民の少ない台北の方が開票作業が遅い、
また、市議選の開票の方が先に終わっているのがおかしい、等の理由)

早ければ今夜のうちに裁判所に申請するそうですが、
明日以降どのような展開となるのか、こちらも大変気になります。

台湾の選挙って本当に興味深くて、久し振りに興奮しました。
次は2020年の総統選ですね。


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