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日本人が陸羽茶藝中心の泡茶師試験を受けるには?
2019 / 05 / 20 ( Mon )

タイトルの件、日本人で中国茶を習っていらっしゃる方から
たまに質問を受けますので、ご参考になればと思い記載します。

1.まずは受験申し込み

受験を検討されている方は、まずは陸羽へ直接行かれて
試験の申し込みをなさって下さい。
試験は毎年5月頃に実施されますが、受験者数に限りがあり
割と早くに(前年夏頃?)定員に達してしまうため、
「今年受けたかったのに申し込みできなかった」という方もちらほら。
なお、2020年実施分は既に申し込み可能で、受験料は6,000元です。

◆陸羽茶藝中心 台北市中正區衡陽路62號3樓

2.陸羽の講座を受講

標準的な試験対策として、まずは陸羽の講座を受けられることをお勧めします。
色々な講座がありますが、泡茶師試験に必要と思われるものは以下の通り。
なお、こちらの講座は不定期でスタートし、週2回・平日夜に開催されます。
受講料は3,200元〜5,000元とお手頃ながら体系的にしっかり学べますので、
泡茶師試験を受ける予定のない方にもおすすめです。

◆茶藝基礎課題(全9回) →初心者向け基礎講座。まずはこちらを。
(1)茶樹栽培與茶葉的製造
(2)各類茶的認識
(3)如何泡好一壺茶、如何鑒賞一壺茶
(4)基本泡茶法與演練
(5)陶藝與茶藝
(6)茶藝文化之認識
(7)簡便泡茶法與無我茶會
(8)茶藝觀摩
(9)茶藝問題研討

◆茶法與茶會研討(全8回) →陸羽小壺茶法など各種茶法及び茶会開催について
(1)從陸羽小壺茶法24則看茶道美學與精神
(2)茶席設計理念與應用/煮茶法
(3)大桶茶法與濃縮茶法/大壺茶
(4)茶會的舉辦與茶屋的設計(旅行茶法)
(5)蓋碗茶法與含葉茶法/冷泡茶法
(6)無我茶會演練與討論
(7)抹茶法與泡沫茶法
(8)茶道觀摩

老師のお点前を拝見し、受講者も実際にお茶を淹れる形式の講座です。

こちらは陸羽式の抹茶小杯點茶法。
無我茶会でお抹茶を点てられるようにと考え出された茶法です。
20190327陸羽茶法課

最終回は各自テーマを決めて茶席を設えます。
私は春にこちらを受講したので、テーマは「龍田山」にしました(万葉集から)。
という訳で、席方の絵柄は桜です。
20190410陸羽茶法課最終日10

テーマに沿ってお茶や茶器を決めていく作業が楽しいですし、
同学の皆さんのそれぞれ個性的な茶席を拝見するのも刺激になります。
アンティークの素敵な杯子を使われる方、とても立派な(サイズも)観葉植物を運び込まれる方、
先住民をテーマに小米の穂や摘み取ったばかりの茶葉を飾られる方などなど。
最後に各茶席及びお茶のお味について老師からの評価も聞くことができますので、
とても勉強になりました。

◆泡茶精進研習班(全8回) →お茶淹れ特訓講座(泡茶師の実技試験対策)
(1)以瓷壺泡三種綠茶
(2)以蓋碗泡三種白茶與重發酵茶
(3)以炻壺泡三種後發酵茶
(4)以瓷壺泡三種輕發酵茶
(5)以炻壺泡三種中發酵茶與焙火茶
(6)以炻壺泡三種岩茶與老茶
(7)以瓷壺泡三種全發酵茶
(8)以瓷壺泡三種熏花茶

◆評茶與賞茶研討(全9回) →鑑定杯で淹れたお茶を基に味覚や嗅覚を訓練する講座
(1)評茶方法與茶味之認識
(2)製茶原理與不同發酵程度茶類之識別
(3)各種茶類不同品級之鑑定(一)
(4)各種茶類不同品級之鑑定(二)
(5)大陸茶之認識
(6)各類茶湯濃度之體認
(7)覆火、焙火之應用與陳年茶、焙火茶之欣賞
(8)併對練習與解説
(9)品質順位之測驗與研討

20181213陸羽評茶課

3.説明会への参加

毎年2月頃に泡茶師試験を受ける方向けの説明会が実施されます。
所要2時間程度で受験要領や採点方法の説明、実技試験の示範もありますので
参加なさることをお勧めします。

4.実技試験対策

上記説明会の後、実技試験に出る茶壷40種ほどが練習用として陸羽にずらりと並びます。
受験申し込みをされた方は、陸羽でそれらを使用してお茶淹れの練習ができます。
(その他の茶具やお湯も使用可。茶葉は陸羽のものを購入)

ご自身で持参された方が便利なのは、スケール・温度計(電気式)・計量カップくらいでしょうか。

なお、プーアール茶などは高価なものもありますので、
講座で一緒になった同学と分けて購入したりすると便利です。
大桶や大壷の泡茶データも一緒に検討できますので、同学の存在は大切だと思います。

ちなみに、泡茶師試験は台北エリアに限らず台湾全土から受験生が集まるので、
講座を受ける同学もはるばる遠方から来る方も多々いらっしゃいます。
お茶屋さんや茶農家の同学ができたりして楽しいですよ。

5.筆記試験対策

年々難易度が上がっている筆記試験ですが、
陸羽の茶藝基礎課題の内容を復習、書籍を読む、過去問を解く、というのが
スタンダードな勉強方法です。
(※)過去問は以前はかなり古いものが陸羽のサイトにアップされていたのですが、
  サイトリニューアルにより削除されているようです。
  以前も直近のものは公開されていなかったので、そのような方針なのかもしれません。

書籍で必須なものは以下の通り。
・陸羽茶経講座
・中国歴代飲茶法
・中国歴代茶器

あった方が便利なものは以下の通り。
・品茶図鑑(もしくは同等の中国茶図鑑)
・中国人應知的茶道常識

出題範囲も広がっていますので、上記だけではカバーできません。
という訳で、ご興味のある書籍があれば幅広く読まれてみて下さい。

ざっとですが、試験準備については以上です。
上記講座を全て受けるのを前提とすると、準備期間はミニマムで1年程度でしょうか。

なお、講座も書籍も全て中国語ですので、
スタート時点で初級程度の中国語力が必要だと思います。
 #実技試験は突破できても筆記試験が難しい

また、日本在住でも受験できますか?とのメッセージを
以前頂いたことがありますが、茶湯濃度の見極めや練習環境を考えると、
個人的にはちょっと難しいと思います。
ただし、既に中国茶に精通されていて、直前1ヶ月ほど台北に滞在できるような
ケースは除きます。
(試験に出る可能性のある茶壺は40種ほど、茶葉は30種ほどありますので、
効率良く練習するにしてもそれなりに時間が必要だと思います)

さて、気になる泡茶師試験の合格率ですが、
私が把握しているここ4年程は30〜40%で今年は更にそれを下回りました。
受験するのは多くが既にお茶関連のビジネスをされている方で、
私のように趣味で受ける人は少数派です。
なお、筆記試験または実技試験のどちらか一方だけ合格された場合は「単項通過者」として、
不合格だった方の科目のみをその後2回(翌年、翌々年)受験することが可能。
2年以内に合格したら晴れて泡茶師となりますが、不合格ならまたゼロスタートです。

この試験の良いところは、練習を重ねることで
どうしたら目の前にあるお茶を美味しく淹れられるのか勘が付くようになること。
また、筆記試験に向けて勉強することで中国茶についての体系的な知識も身につきます。
準備が大変ですが、その分、やはり得るものも多いように思います。

以上、受験を検討なさっている方のご参考になれば幸いです。

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